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GREスリーブ
このページでは、 SOxスクラバー搭載船のディスタンスピースの腐食を防止する製品「GRE スリーブ」をご紹介しています。
SOxスクラバー搭載船を悩ます腐食問題。その船は大丈夫ですか?
大気環境に悪影響を及ぼす燃料油の硫黄分を削減するために、2020年1月から強化されたSOx排出規制。対策として、およそ5,000隻に及ぶ船舶が排ガス脱硫装置 - SOxスクラバーを搭載しましたが、いま搭載船に大きな問題が起きています。それはディスタンスピースの腐食問題です。
ディスタンスピースは、SOxスクラバーの排水管系統に取り付けられている船体に直結した排水管部分です。腐食を放置すれば大規模漏洩や機関室浸水の原因となり、緊急ドックやオフハイヤーなどを招けば船主・管理会社への損害は甚大。腐食事例も多く報告されており、船級協会やP&Iクラブも点検や対策の強化などの注意喚起を行っています。
なぜディスタンスピースの腐食は簡単に防げないのか?
スクラバーの排水管系統は、配管流速が高いだけでなく、予測不可能な大量の硬質スラッジ発生による異常摩耗、さらには低pHという条件が加わり、防食という視点から見れば、船上ではこれまでに例を見ないほどの過酷な環境となっています。
その配管設計や耐食には高い技術が要求されますが、現場施工における品質維持の難しさも相まって、関係者による試行錯誤にもかかわらず、これまで既存の耐食技術では対応が難しいのが現状でした。
GRE スリーブの登場です!
GRE スリーブは、レトロフィットエンジニアリングのトップランナーである NMD が、この問題を解決するために新たに開発した新技術です。既にスクラバー配管の耐食性において実績のある GRE(ガラス繊維強化エポキシ樹脂)配管を、ディスタンスピースの内側に貼り付け一体化することで、樹脂配管単体では採用が認められない船級規定をクリア。もちろん、IMOが求める船籍国承認も取得可能です。
施工実績や経験が世界中で蓄積されている鋼製ディスタンスピースと、腐食に強い GRE の組み合わせにより、現場の技術に左右されない施工性と、安定した防食性能を両立。金属腐食や溶出、あるいはライニングの剥離や摩耗といった心配がなく、次回のドックまで保護層を維持する寿命設計が可能な現在唯一の方法として、高レベルのコストパフォーマンスを実現しています。
船主・船舶管理会社の皆さんをリスクや不安から解放します!
- 寿命設計が可能な現在唯一の技術
- 実績ある GREがベース
- 船級協会の規定に準拠
- IMO要求に基く船籍国承認も取得可
- 施工は鋼管ディスタンスピースと同様
- ライニングやコーティングなどが不要
- ステンレス配管等に較べ安価
- 追加メンテナンスが原則不要
よくある質問と答え
皆様からよくいただく質問について以下にまとめました。詳細はお問い合わせ下さい。
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GRE は何の略ですか?
Glass-Reinforced Epoxy = ガラス繊維強化エポキシ樹脂を指します。
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ステンレス配管に較べるとどのようなメリット・デメリットがありますか?
ステンレス配管は、配管そのものをステンレス化する場合でも、ステンレススリーブをはめ込む場合でも、適切な素材を用いれば高い防食性能を持つという特長がありますが、高価な上に、ステンレスと船体間の異種金属腐食という問題があります。異種金属腐食を防ぐために、ステンレス管内面のコーティングやアノードの追加などが必要となりますが、前者は現場に一定の施工技術が必要であり、後者は排水が酸性であるために溶出が早いという問題があります。当社としては、この問題を解決するためには本質的にベストとは言い難い技術という判断をしております。
GRE スリーブは、腐食に強い樹脂と、施工技術が各地で蓄積されている鋼製スリーブを一体化した技術で、両者のメリットを享受することができます。また、追加のメンテナンスなどが原則不要で、寿命設計が可能な唯一の技術であり、ステンレスに較べればコスト性能もたいへん優れています。
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GRE ライニングに較べるとどのようなメリット・デメリットがありますか?
鋼製配管の内面に樹脂・ガラス繊維を積層した保護層を塗りこんで防食するGREライニングは、施工自体は最も安価で、正しく施工管理できれば一定の効果を発揮します。
しかしながら、水蒸気透過に対する保護層の寿命という問題があり、定期的なやりかえが必要な上に、次のドックまで持つという保証がありません。また、ライニング品質が施工現場次第となるリスクがあります。さらに、スクラバスラッジは GRE ライニングの硬度より硬いため、摩耗による母管の減肉が避けられず、母管露出による腐食というリスクもあり、また、ディフューザがつく場合は剥離リスクも高くなります。
GRE スリーブは、腐食に強い樹脂と、施工技術が各地で蓄積されている鋼製スリーブを一体化した技術で、両者のメリットを享受することができます。また、追加のメンテナンスなどが原則不要で、寿命設計が可能な唯一の技術であり、ランニングコストやリスクを考えたトータルコストに優れた技術です。
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既に腐食が起きている船で、既存ディスタンスピースにスリーブを挿入することで緊急の漏洩対策することは可能ですか?
はい。基本は鋼管は新替していただくことを想定していますが、ご質問のような状況で、緊急対応で使用される場合、他の方法にくらべて、より、恒久対策に近い形で応急対応することが可能です。効果時間も短く、天候にも左右されにくい利点があります。
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ディスタンスピースを、ブラフボディやディフューザなどの構造物と一体成型することは可能ですか?
はい。ディスタンスピースに設置されるブラフボディやディフューザなどの構造物についても GREスリーブと一体成型することが可能です。
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鋼管との接着に使用するグラウトについて、硬化時の収縮により、クラックや接着不良が発生するリスクがあるのでは?
二液硬化型のエポキシですので、収縮率は大きくありません。
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鋼管との接着に使用するグラウトを、スリーブ内面にも塗布しているのはなぜですか?
以下の3つの理由により内面にも施工しています。
- スクラバからのスラッジや塩塊などが発生することを想定し、GREよりも硬度の高いグラウト剤をコートしています。
- 基材のGREが黄色か黄緑色なのに対し、グラウトはグレーですので、目視点検で剥離や摩滅などの異常を判別しやすくする効果があります。
- 塗料も含めたどのような樹脂防食層も、水蒸気透過による寿命があります。このため、いずれは水蒸気透過が進んだ樹脂層を除去する必要があります。GREスリーブでは、グラウト層をドック毎に再生するだけで、劣化層を簡単に取り除き、再生できる為、基材のGREは恒久的に維持できる利点があります。
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グラウト剤の接着強度は十分なのでしょうか?
はい。接着強度に優れたグラウトを開発し、かつ下地処理を管理することでアンカー効果を維持し必要な接着強度を維持しています。
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販売形態はどのような形になっていますか?
2022年8月時点において、NMDでは、グラスファイバーの管と外側の鋼管を、施工・取付を含めて販売しています。現時点においてはオーダーメイドに近いご注文が多いのですが、これから標準化を進めて行く予定でおります。
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搭載までのリードタイムを教えてください。
シンガポールの工場出しベースで、使用確定から二週間です。また、当社が製作を担当する場合は鋼管製作機関として4週間、図面作成に2週間、施工に2日が目安として必要となります。
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中国での工事は可能ですか?
はい。中国、シンガポールについては、協力会社による施工体制を整えています。
最新ニュース
GREスリーブについての最新ニュースは、以下からご覧下さい。
お問い合わせ
NMDグループでは船舶内外の 3D計測、 BWMS や SOx スクラバーのレトロフィット工事、3Dエンジニアリングに関する総合的な製品と業務サービス(基本計画、詳細設計、コンサルティング等)を提供しています。GREを含む製品・サービスの詳細につきましては 当社までお問い合わせ下さい。
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